私たちは自分の感情が自分だと錯覚しがちです。
その証拠に、感情を言い表すときには「私は嬉しい」「私は悲しい」と言いますよね。
英語でも同じです。「I'm happy」「 I'm angry」
まるで怒りや悲しみが、自分自身であるかのように。
でも、よく考えてみてください。
感情はあなたが感じる情動に過ぎず、あなた自身ではありません。
あなたが意識的に手放せば、すぐに去っていくものなのです。
怒りの感情が湧いてきたら、それを体で感じてください。
顔が熱くなるかもしれないし、胃の辺りに固いものを感じるかもしれません。
胸がぎゅーっと苦しくなるかもしれません。
しかし、それを抑えたり、発散したりせずに、ただ観察してみてください。
身体に感じる怒り…それは生理的現象です。
感情は心と体の体験に過ぎません。
あなたがその想いに執着しなければ、やがて去って行きます。
執着するから、そこに居座り続けるのです。
どんな人間でも、怒り、悲しみ、嫉妬などネガティブな感情は沸き起こります。
それを押さえ込もうとしたり、無視してはいけません。
それに力を与えなければいいのです。
自分の中から湧き出る負の感情を認め、感じてから、一呼吸置いて手放せばいいのです。
感情は雲のようなもの。
美しいものもあれば、暗いものもあります。
そして私たちの存在は空です。
雲は空ではなく、空で起こる現象で、現れては消えるもの…
私たちの感情も私たち自身ではなく、
心と体で起こる単なる現象で、現れては消えて行くものなのです。